コラム

2024.01.10

道志村で“仕事”でなく“私事”をしています|ビデオグラファー田中康一さん(動画人ターナー)

DOSHI OFFICE

最近ではリモートワークが広がり、働き方に対する意識やスタイルに変化がみられます。また、フレックスプレイスという家やオフィス、カフェなど働く場所を選びながら仕事をするというスタイルも広がっています。さらに、世界にはデジタルノマドという人達が数多く存在します。ITを活用して、自分のライフスタイルに合った場所に滞在しては仕事をし、また違う場所に滞在しては仕事をするのです。道志村への移住者でもあるビデオグラファーの田中康一さんは、デジタルノマドを実践する一人です。SNSでは動画人ターナーという呼び名で親しまれています。そんな彼が、「なぜ都会とは一線を画す道志村に拠点を構えたのか?」「また道志村でどんなライフスタイルで過ごしているのか?」について話を聞いてみました。

道志村で“仕事”でなく“私事”をしています|ビデオグラファー田中康一さん(動画人ターナー)

働く場所を問わないライフスタイル

―――ターナーさんのこれまでの仕事について教えてください。
普段はフリーランスのビデオグラファーとして、企業様をクライアントとして映像制作をしています。これまで培った経験を活かした映像制作の研修コンテンツの制作やオンラインで講師をすることもあります。それ以前は、不動産会社や製薬会社での営業職としてあわせて9年ほど仕事をしていました。

―――企業に9年間も勤めていた後に、何をきっかけに“働く場所を問わないライフスタイル”に変わったのでしょうか?

 20代の頃に次世代メディアのクリエイターである高城剛さんのTV番組の特集でノマドワークを知りました。その頃から、会社員をしながら漠然と“働く場所を問わないライフスタイル”には憧れを持っていました。ノマドワークへと舵を切る最後の後押しになったのは、フィリピン・マニラで開催されたTBEXというイベントでの出会いですね。TBEXとはTravel Blogger’s Exchangeというイベントで、世界中のデジタルノマドが集まるイベントです。

 

―――世界各地からデジタルノマドが集まるイベントでどんな出会いがあったのでしょうか?

世界中からエンジニアやWEBデザイナー、インフルエンサーなどが集まり、彼らがパソコン一つ、リモートで働いている姿を見て衝撃を受けました。特にフィリピン人のビデオグラファーが、小さなカメラで撮った画像から創り出した映像作品には感動を覚え、しかもその彼が本国だけでなく、日本やロシア、中国、アメリカといった世界中で仕事していることにも驚きました。彼の映像作品を含めたワークスタイルに影響を受け、自分も各地を渡り歩くビデオグラファーとなりたいと思うようになったのです。

働く場所を問わないライフスタイル
TBEXで仲良くなったメンバー

「仕事」でなく「私事」

―――“働く場所を問わないライフスタイル”を実践するようになり、ご自身の中で変化はありますか?

20代に勤めていた会社では「仕事」でしたが、今は「私事(しごと)」をしている感じです。会社員時代は営業目標に追われ、与えられた業務を朝から夜遅くまでこなす日々でした。しかし今は自分自身の意志のもと、将来のために働いているので「仕事」が「私事」になっていると実感します。もしかしたら、会社員のときよりも働いているかもしれませんが、自分のための「私事」なので辛くはありません。

 

―――今は道志村を拠点にしていますが、これまでどんなところを移り住んで来たのでしょか?

会社を辞めて独立してから福岡、東京、沖縄、宮古島など移り住み、メキシコやタイなどにも滞在したこともあります。決まった家を持たない時期もあったのですが、縁あって山中湖のコテージに住むことになり、それがきっかけとなり隣の道志村の存在を知りました。それまでは、道志村の名前すら知りませんでしたが、道志村に移住してもうすぐ2年、今までで移り住んだところで一番長い期間の滞在となりました(笑)。

「仕事」でなく「私事」
Youtuber動画人ターナー、動画制作やビデオグラファーへのインタビューなど配信

自然環境とネット環境が整うサテライトオフィス

―――色々と移り住む中で、なぜ道志村滞在期間一番長くなったのでしょうか? 

いくつか理由があります。まずは道志村が都心から近い好立地であることです。デジタルノマドワーカーといっても、重い映像機材があるので遠くまで持ち運ぶのは難しいです。依頼の多い都心から1時間半のところに拠点を置きながら仕事ができるのは大変便利です。それならば都心を拠点に仕事をすればと言われるかもしれませんが、道志村の非日常感が仕事をするには最も適した環境といえます。これを経験してしまうと、もう都心で仕事をするのは難しいですね。今では都内に出ると人の多さに逆に非日常感を感じるようになり、早く道志村の日常に帰りたいと思うようになりました(笑)。

 

―――道志村の非日常的な環境で働くメリットとはどんなことですか?

都会の喧騒とは違い、道志村の静けさが収録を含めた動画制作をはかどらせてくれます。自然の豊かさから来る静かさは、収録の邪魔することなく、時に聞こえてくる自然の音が心地よい気分にさせてくれます。また道志村は自然環境だけでなく、実はネット環境も充実しています。自分は行く先々で必ず通信速度を測っていますが、これまで測った中で道志村のサテライトオフィスの通信速度が断トツで1位でした。カフェだと30メガくらいでワークスペースだと100メガで悪くないですが、道志村のサテライトオフィスの場合200メガもあるのでデジタルノマドワーカーにはもってこいの環境です。

自然環境とネット環境が整うサテライトオフィス
DOSHI OFFICE(道志村サテライトオフィス)

道志村で撮影交流イベント

―――道志村を拠点としてもうすぐ2年経ちますが、今後の展望は?次はどこに行こうと思いますか?

次の拠点先はまだ決めていません。今の仕事の9割はオンラインで完結していますので、道志村の自然豊かなところを活かしたオフラインでの撮影交流イベントを開催できないかなと考えています。例えば、ドローンによる撮影体験会や道志村を題材としたPR動画を作る講習会など思案中です。

―――面白いですね。“ワーケーション”に“クリエイション”というテーマが道志村のサテライトオフィスの新たなコンセプトにもなっているので合いますね。

募集しても参加者はいるのかなと思いますが、意外とオフラインの動画講習のリクエストをちょくちょくもらいます。オンラインで受講した方が、後日レンタカーを借りて、道志村までわざわざ訪ねて来てくれたこともあります。またYoutuberのキャンパーもいますし、多くのキャンパーは動画をSNSによくアップしているのでニーズはありそうです。それこそ、ネット環境の整ったサテライトオフィスを活用すれば、“ワーケーション”に“クリエイション”の実践できますね。ぜひ、来年にチャレンジしたいと思います。

道志村で撮影交流イベント
Profile

ビデオグラファー田中康一(動画人ターナー)

兵庫県出身。会社員を辞め後世界一周の旅へ、帰国後は未経験の状態から福岡でビデオグラファーとして独立しデジタルノマドワーカーへと転身。夢は移住先を拠点にチームで世界を舞台に映像の仕事をすること。趣味はキャンプ、サウナ、サーフィン。サーフィンをするために道志村から湘南にも通う。 Instagram: @travel_tanaka/ YouTub:@dogajin_turner

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